至福のひと時をご自宅で

旅路の果てに、掌の宇宙

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12歳の夏、母の知人が両手でそっと氣のボールを作ってみせた。見えないものを信じることができた少年の心は、それを確かに感じた。以来、世界の輪郭が少しだけ違って見えるようになった。

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けれども成長するにつれ、理屈の世界に飲み込まれていく。高校では理系を選び、進学し、数字と論理の積み重ねに安堵を覚えた。目に見えるもの、計算できるもの、科学こそが確かな世界なのだと信じていた。

 

それでも身体は知っていたのかもしれない。鋼構造物の設計、造園、携帯電話の製造、飲食店、コールセンター、仏壇仏具の販売、葬祭業——職を転々としながら、氣がつけば幾度となく旅に出ていた。北へ、南へ。海沿いの町、山あいの村。海を越えて世界の中心へ。そして、この世の果てへ。

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砂漠に広がる巨大な岩、消えかけた焚火の匂い、朝露に濡れた苔、名も知らぬ土地の路地裏。どこへ行っても、心の奥底に問いが残る。「この手は何を求めているのか？」

 

長い旅の果てに見つけたものは、健康であることの豊かさだった。ただ生きるのではなく、息をするように整い、響き合い、循環すること。そのためにできることは何か。手を伸ばし、掌を重ね、温もりを伝える。12歳の夏に感じたあの感覚は、今もこの手のひらの中に生きている。

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稀有な出会いの中で過去を洗い流し、未来を思い出した。

そして今、CS60という不思議なデバイスが手元にやってきた。

それはまるで旅の途中で拾った小さな石のようだった。何の変哲もない形をしているのに、手に取るとじんわりとした感触がある。ただの道具ではない、何かが宿っている。見えないものが確かにここにある。

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CS60を手にしたとき、12歳の夏の記憶が蘇った。掌の中で氣のボールを感じたあの瞬間。見えないはずのものが、確かにここにあると信じられた時間。あれから幾度の旅を経て、遠回りをして、ようやくたどり着いたのかもしれない。

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この小さなデバイスが生み出す響きは、肉体の奥深くへと働きかけ、眠っていたものを呼び覚ます。滞った流れが動き出し、身体は本来の姿を思い出す。こわばりがほどけ、快適さが引き出され、呼吸が深くなる。

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それは単なる施術ではない。旅と同じだ。身体という宇宙の中を巡る旅。凝り固まったものを解き放ち、滞りを手放し、もう一度、生きることを始めるための旅。

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この掌を通して、CS60の響きを伝えたい。もし、その温もりが誰かの心と身体を和らげ、ほんの少しでも生きやすさへとつながるなら。それが、旅の果てに見つけた、もうひとつの答えなのかもしれない。