体の声を聴くー八幡西区の夏とCS60ーCS60LOHAS北九州緩み
- 管理者
- 7月30日
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夏の陽射しが容赦なく照りつける午後。
私は、北九州市八幡西区の住宅街を抜け、ある50代の男性のもとへ向かっていた。
建設現場で働く彼の仕事は、日差しの下でも、風の強い日でも、止まらない。
身体の声より、工程表の声を優先してきた年月が、今日、少しだけ立ち止まった。
「最近ね、どうもパワーが足りんごたぁして……食欲もあんまり出らんとです」
玄関先でそうこぼした彼の顔は、日焼けして精悍ではあるが、どこか影があった。
長年の蓄積された疲れが、じんわりと全身に滲んでいる。肩から腰、脚まで…特に背骨に沿って、硬く厚い疲労がまとわりついていた。
静かにうつ伏せになってもらい、背中の中央にCS60を当てた。施術を進めるたび、少しずつ血のめぐりが温もりを取り戻していく。仰向けになってからも、胸の中心、腹部の深い層へと意識を向けながら、芯のラインに沿って整えていった。
施術が終わるころ、彼は静かに立ち上がり、大きなペットボトルの水をゆっくりと飲み干した。その喉の動きが、どこか清々しく見えたのは、体の内側に流れが戻ったからだろうか。
「毎晩、冷たいビールとソーセージが楽しみでね。あと、ついでに唐揚げとか、コンビニのやつも…」
言いながら、彼は少し照れたように笑った。手軽さと安堵感。それが夜の慰めになっているのだろう。けれど、パッケージに潜む無機リンや化学的な添加物たちが、知らず知らず腎の働きを蝕んでいく。
「味がわからんなってきたら、食べる意味ってあるんかな?」
ふと、彼がつぶやいた。その問いに、私は答えなかった。けれど、静かな空氣の中に、彼自身が気づいているような気がした。
人はときに、ストレスと一緒に「空腹感のない食欲」を飲み込んでしまう。だけど、身体の内なる声が戻ってきたとき、何を選び、何を遠ざけるのかは、自分で決められる。
今日の施術の後に、ほんのわずかだが、その感覚――「自分の身体に耳を澄ます力」を呼び戻す小さなワークを行った。
あとは、この体の声を聞くことをどこまで続けられるか。
また会う日までに、少しずつでも、自分を大事にする時間が増えていることを願って。
ヒグラシの声が遠ざかる帰り道。

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