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固定観念を超えて~遠賀郡岡垣町CS60出張施術日記~CS60LOHAS北九州緩み

暑さも和らぎ、暦の上では秋だが、まだまだ日中の厚さは厳しい。


ある日、福岡県遠賀郡岡垣町にあるお宅へCS60の出張施術にお伺いした。


リビングで施術を終え、奥様と三人で桃をいただきながら、冷たいほうじ茶を飲み、お話をしていた。


こちらのご主人は、几帳面で真面目な性格だった。

しかし、ほんの小さなことで、奥様とけんかしてしまったそうだ。

夫婦けんかの原因は椎茸だった。

ご主人はカレーといえば、じゃがいも、にんじん、たまねぎだった。

ある日、奥様が沢山の椎茸をいただき、おいしいカレーの作り方をおそわったそうだ。

椎茸、たまねぎ、にんじんで基本の重ね煮を作り、それをじゃがいもとともにカレーに入れたそうだ。

ところが、椎茸はカレーに入れるものではないという固定観念のせいで、大喧嘩になったそうだ。


ご主人は仕事の資料は常に右揃えで、会議の発言も「正しい手順」に沿って進める。

同僚からは信頼されていたが、同時に「ちょっと融通が利かない」と陰でささやかれることもあった。

彼自身も、その性格を直そうと何度も考えた。しかし、頭では理解していても、どうしても型から外れるのが怖かった。


ある日、ご主人は週末の気分転換に、一人で小さな港町のカフェへ立ち寄った。

そこは古い倉庫を改装した店で、木の香りとコーヒーの香ばしさが混ざり合っている。

店の奥の窓際には、一人の老人が座っていた。髭をたくわえ、古いスケッチブックを広げている。


「これ、君にも描いてみないか?」

不意に声をかけられ、悠一は驚いた。老人はスケッチブックと鉛筆を差し出す。

「僕は絵は描けません」

「描けなくていい。線を引くだけでもいいんだ」


試しに鉛筆を握ると、老人はにやりと笑って言った。

「ルールは一つ。利き手と逆の手で描くこと」


ご主人は戸惑った。左手で描こうとすると、線は震え、思い通りにいかない。

しかし、失敗を笑われることもなく、老人は「いいぞ、その歪んだ線が面白い」と言う。

線が予想外の方向へ跳ねるたびに、妙な爽快感が胸に広がっていった。


1時間も経たないうちに、彼の中で何かが外れる音がした。

完璧な形を求める自分が、急に小さく思えたのだ。

描き終えた紙には、子供の落書きのような風景が広がっていたが、不思議とそれが愛おしかった。


「君、固定観念ってのはな、固まった粘土みたいなもんだ」

老人は窓から海を眺めながらつぶやいた。

「逆の手で描くみたいに、意図的に不便なことをすると、粘土は少しずつ柔らかくなる」


その日から彼は、日常の小さなことをあえて逆の方法でやってみるようになった。

ネクタイの結び方を変え、通勤ルートを変え、朝食を夕方に食べてみたりもした。

すると、仕事の場面でも、以前なら却下していた突飛なアイデアを試す余裕が生まれた。


あの日の老人の言葉は、彼の中で今も生きている。

――不便は、自由への扉だ。


粘土

 
 
 

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