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小国町の押戸岩の丘と蜘蛛の巣~直方市CS60施術日記~CS60LOHAS北九州緩み

和風の石張りのアプローチを踏みしめると、乾いた音が一歩ごとに響き、訪れを告げてくれる。直方市の住宅街、その一角に静かに佇む一軒の家


木製の扉には、アイビーのツルとハーブとアジサイの三日月の形をしたリースが掛けられていた。淡い香りは、湿り氣を帯びた夏の空氣に溶け込み、深呼吸を誘う。

「どうぞ」──迎え入れられた和室は、簡素にして凛とした空氣が漂っていた。

障子越しの光が畳に淡い円を描き、時間さえも柔らかく静める。


この日も足と腰を中心にCS60をあてていった。立ち仕事が続いたという身体は、最初はこわばっていたが、施術を重ねるごとに呼吸が深まり、張り詰めていたものが少しずつ解けていく。その緩みの中から、旅の思い出がぽつり、ぽつりと語られた。


お盆を過ぎ、夏季休暇を利用して熊本まで足を伸ばしたという。列車に揺られ、キャンピングカーを借り、たどり着いたのは小国町の押戸岩の丘。夜空に幾筋もの流れ星が走り抜け、静寂を破るたびに胸の奥が震えるような体験だったそうだ。


翌朝は霧の立ち込める山道を登り、巨石群を目指した。途中、ふと足を止めると、小さな蜘蛛の巣が朝露を抱いて光っていたという。繊細な糸が幾重にも重なり、まるで曼荼羅のように緻密で、美しい。けれども、肝心の主の姿はどこにもなかった。


話はご自宅の庭へと移った。そこにもまた大きな蜘蛛の巣が、離れた枝と枝のあいだに広がっていたという。けれど、暑さのせいか主はおらず、ただその網の前を、黒い蝶が力強く羽ばたいて横切っていった。その姿はまるで「全部お見通しよ」と言わんばかりで、むしろ優雅さとしなやかさをまとっていた。やがて、もう一羽の蝶が後を追うように舞い抜け、光の中へと消えていった。


語り終えるころには、彼女の目元は柔らかくほころんでいた。身体の緊張とともに心の奥もほどけ、旅の記憶が新しい風となって和室を満たしていく。その風に乗って、蜘蛛の巣の煌めきや蝶の羽ばたきが、まるで目の前に広がるような氣がした。



列車

 
 
 

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