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手洗いの午後と、機械文明への讃歌〜喫茶猫屋堂整体〜CS60LOHAS北九州緩み

洗濯機が壊れた。

電源は入るのに、スタートボタンも、他のボタンも沈黙している。

まるで機械が小さな反抗をしているかのようだった。


しばらく眺めていたが、どうやらもう洗濯機に頼ることはできそうにない。

そこで、物置の隅に置いていた左官用の大きなバケツを取り出した。少し土の香りがするそのバケツにお湯を溜め、洗剤を入れる。そこに衣類を沈め、しばらくつけておいた。


湯氣が立ちのぼる午後の光の中で、手をお湯に入れる。

お湯はぬるく、洗剤のぬめりが指に絡みついた。

布を押したり、もんだりしているうちに、いつの間にか無心になっていた。

水面がゆらぎ、そこに映る自分の顔がぼんやりと揺れる。


一度軽く絞って、再びお湯を張る。

すすぎを始めると、白い泡が静かに浮かび、薄い汚れが淡く流れ出した。

二回目のすすぎでも、まだ透明にはならない。

「まだだな」と呟きながら、三回目にはクエン酸を少し加えた。

すると、水がやわらかく感じられ、洗剤が静かに中和されていく。

四回目、五回目のすすぎを終えるころには、水は澄みきっていた。


バケツを軒下に運び、手で一枚ずつ絞りながら干していく。

秋の空は青く、風は軽やか。

ただ、天氣予報では13時から雨が降ると言っていた。

だから、濡れない場所を選びながら、洗濯物を丁寧に並べていく。

陽の光が布に反射し、少しずつ乾いていく様子を見ていると、まるで小さな生命が息を吹き返しているようにも見えた。


かなりの時間がかかった。

けれど、その間、頭の中は澄んでいた。

いつもなら無意識に「洗濯機に任せてしまう」時間が、今日は手と心で感じる時間になっていた。

どうすればよりきれいになるのか、乾き方に違いはあるのか——そんなことを考えている自分が、なんだか新鮮だった。


しかし、毛布や大きなシーツを手洗いすることを想像すると、さすがに気が遠くなる。

「やはり、機械文明の力は偉大だな」と、笑いながらつぶやいた。


人の手の温もりで洗うことと、文明の力に頼ること。

その両方を知ることで、生活の中に新しい発見が生まれる。

CS60の施術も、もしかしたら同じかもしれない。

身体を手で感じ、丁寧に触れていくとき、そこに小さな氣づきが宿る。


今日の洗濯は、そんな「原点」を教えてくれた。

お湯のぬくもりと、手の感触と、晴れた午後の静けさ。

壊れた洗濯機の前で、私は少しだけ、機械文明に感謝しながら、手の力を見直した。


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