施術のあとに出された一杯のうどんと、家族で詠んだ和歌に宿る、静かな幸せのかたち〜喫茶猫屋堂整体〜CS60LOHAS北九州緩み
- 管理者

- 10月13日
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――秋の陽がやわらかく差し込む。
北九州市小倉北区の静かな住宅街に、私はそっと足を踏み入れた。
玄関の扉が開くと、優しい笑顔の奥様と、おだやかな表情のおばあさまが迎えてくださった。
おふたりの佇まいからは、長く積み重ねてきた時間の温もりが滲んでいた。
リビングには季節の花が一輪、ガラスの花瓶に生けられていた。
窓から射し込む光が花びらに透けて、まるでその家の空氣ごと、やさしく包み込むようだった。
最初に、おばあさまの施術から始める。
背中にそっと手を添えた瞬間、長い年月を生きてきた身体の記憶が、静かに語りかけてくるようだった。
「ありがとうねぇ」――その一言に、胸が熱くなる。
次にご主人。無口な方だったが、施術が進むにつれて呼吸が深くなり、
最後にはふっと肩の力が抜けて、微笑みをこぼされた。
奥様はその姿を見て、まるで春の日差しのような優しい表情を浮かべた。
奥様の施術が終わったあと、「お昼にしましょう」と声をかけてくださった。
食卓には、かまぼこととろろ昆布がのった、素朴なうどん。
湯氣の向こうに、家族の温かい時間が流れていた。
一口すすれば、昆布のやさしい香りが広がり、心までほっとほどけていく。
食後には、皆様がそれぞれに詠まれた和歌を披露してくださった。
「昔の恋を思い出して書いたのよ」とおばあさま。
「私はね、家族への感謝を」と奥様。
「自分は、これからの夢を」とご主人。
そのどれもが、日常のなかに咲く小さな花のようで、
どんな豪華な言葉よりも、まっすぐに心へ届いた。
最後に、ご主人が静かに言った。
「やっぱり、信頼と愛がいちばん大切だね」
その言葉に、みんながうなずいた。
そこには理屈も装いもなく、ただ、人と人とがつながる真実だけがあった。
――施術とは、身体に触れることだけではないのかもしれない。
その人の人生や想いに、そっと寄り添うこと。
そうして生まれる“ぬくもり”こそが、いちばん深い癒しなのだと思う。
帰り道、木々の隙間から見えた空は、やわらかい金色に染まっていた。
今日もまた、美しいご縁に包まれた一日だった。
喫茶猫屋堂整体
CS60LOHAS北九州緩み





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