串カツソースの記憶と、いまを整える時間〜喫茶猫屋堂整体〜CS60LOHAS北九州緩み
- 管理者

- 10月22日
- 読了時間: 2分
久しぶりに、大阪の街を思い出した。
あの雑多で、人のぬくもりが漂う街並み。ソースの香りと油の音が入り混じる通天閣のあたり。今もまだ、あの店たちはあるのだろうか。
それとも、知らないうちに消えてしまったのだろうか。
大阪といえば串カツ。
竹串に刺さった食材たちが、パン粉をまとって次々と黄金色に変わっていく。揚げ鍋の中では、バチバチと音を立て、油の小さな花火が咲いていた。
あの音を聞くだけで、胸の奥がふっと温かくなる。
串カツには独特のお作法がある。
「二度付け禁止」——それは、大阪の人情が生んだ、暗黙のルール。
誰かのあとにソースを共有する。見知らぬ人とも、同じ鍋を囲んでいるような不思議な連帯感がそこにはあった。
ある日、ふと思い立って、自宅でその串カツソースを再現してみた。
明確なレシピがあるわけではない。頼れるのは、記憶の中の味だけ。
ウスターソースに少し調味料を入れ、火にかける。
レンコンを揚げて、ソースにドボン。
カリッ、シャキッ、そしてソースの甘辛が舌に広がる。
「これだ」と思った瞬間、懐かしい風景が一瞬だけ蘇った。
けれど、どこか違う氣もする。
あの時のソースは、もっと軽やかで、もう少しだけ甘かったような——。
思い出の味は、いつも少しだけ遠い。
お氣に入りの串カツ屋も、いつかまた行こうと思っているうちに、閉店してしまった。
人はそれぞれ、抱えているものがあり、流れる時間の中で形を変えていく。
永遠に続くものは、実は何一つとしてないのかもしれない。
ただ、記憶の中でその味は、いまも静かに生きている。
そして、それを思い出した自分もまた、ちゃんと“いま”を生きている。
――大阪のソースの香りを胸に、今日もまた、ひとりの施術者として人と向き合う。
CS60の施術をしていると、不思議と、あの串カツの記憶がよみがえることがある。
人の身体にも、時間が積み重なっている。
油にくぐらせた食材が、きつね色に変わるように、人生の中の体験も、少しずつ味わいを深めていく。
「思い出は、消えるためではなく、整うためにある」
ふと、そんな言葉が頭をよぎる。
串カツソースのように、今を少し甘く、少しスパイシーに整えていけたらいい。
忘れたことさえ、優しく包み込みながら。
今日の施術もまた、誰かの“いま”を整える時間になるように。
そして、自分の“いま”もまた、少しだけ優しくなっていけたらと思う。
懐かしい味と、新しい自分が、そっと交わる今朝のひととき。
喫茶猫屋堂整体
CS60LOHAS北九州緩み





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