夏の贈り物 ― 宗像・道の駅にてCS60LOHAS北九州緩み
- 管理者
- 6月28日
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その日、私は宗像市にある道の駅を訪れた。
陽氣なスズメたちが朝から忙しく鳴き交わし、空には綿飴のような雲がゆっくりと動いていた。夏の山と海が交差するこの土地には、どこか懐かしい氣が流れている。
道の駅宗像の扉をくぐると、ふんわりと磯の香りが鼻をくすぐった。地元の海で獲れたという「地ダコ」が、氷の上で静かに横たわっている。黒紫の皮膚には艶があり、まるで海そのものを凝縮したかのようだった。
併設された飲食処に腰を下ろした。
お目当てはネギトロ丼。だが、それはただのネギトロ丼ではない。ご飯の上には丁寧にたたかれたマグロの身が美しく盛られ、青ねぎと刻み海苔が涼やかな緑と黒のコントラストを描いていた。
口に運ぶと、柔らかく甘い脂が舌の上でとろけた。
まるで調理された方の「本氣」が、ひとくちごとに体の中へと流れ込んでくるようだった。
小鉢も充実している。新鮮なお刺身、あら炊きなどひと皿ごとに四季が閉じ込められ、目にも舌にもやさしかった。
そのあと、隣接するお土産屋に足を運んだ。
並ぶ瓶の中で、ひときわ目を引いたのが「甘夏ポン酢」。手に取ると、瓶越しに甘酸っぱい香りが漂ってくるようだった。
帰宅してからすぐに、地ダコを茹でた。
熱湯の中で身がくるりと丸まり、やがてやわらかく落ち着いた朱に染まる。
ぶつ切りにして、甘夏ポン酢をたらし、芽ネギを添えていただくと——夏の陽射しが、まるで味覚に変換されたかのようだった。
潮風と柑橘の香りが舌の上で出会い、消えてゆく。しあわせな余韻が、長く長く続いた。
「夏の海と山の恵みに、心より感謝を。」
そうつぶやきながら、私は静かに手を合わせた。
CS60の施術を通じて日々、人のからだと心に触れているが、こうして自然の恵みと向き合う時間もまた、深い“緩み”を与えてくれる。
宗像の道の駅で出会った食と氣のめぐり。
それは、ただの食事や買い物ではなく、命と命がやさしくつながるひとときだった。

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