小判草が風に揺れていた日 ― 福岡県中間市での出張施術
- 管理者
- 2 日前
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皆さんこんにちは。
中間市近郊でCS60の出張整体を行なっておりますCS60LOHAS北九州緩みです。
先日、CS60の施術のご依頼をいただき、福岡県中間市にある、とある工房へ伺いました。スピーカーを手作りされている男性の工房で、木の香りが漂う静かな空間でした。ものづくりに携わる方の手から放たれる氣は、独特のリズムがあります。静かだけれど力強い。そして、物音のない空間にも、耳を澄ますと音の気配があるように感じられます。
そんな場での施術は、私にとっても特別な時間です。身体の声に耳を澄まし、こわばりや滞りを丁寧にほどいていきました。施術後、その方は「身体がひとつ楽になったような感じがします」と静かに微笑まれました。その笑顔に、こちらまでほっとゆるみます。
ちょうどお昼時だったので、工房の近くを流れる遠賀川の土手で昼ご飯をいただくことにしました。風が心地よく、春の空気が肺の奥まで届いてくるようでした。
ふと足元を見ると、小判草が群れて揺れていました。風にそよぐ姿が、小さな風鈴のように見えて、とてもきれいでした。丸く膨らんだその実が陽に透けて、黄金色に光っているように感じられ、思わず見とれてしまいました。名も知らぬ草たちも、ちゃんと花を咲かせて、種をつけて、風に乗っているのだなぁ…と、その健気さに心を打たれました。
帰り道、ふと立ち寄った花屋さんで、なんと「小判草」が売られていました。あの遠賀川に生えていたのと同じかと思って手に取ると、少し様子が違う。正面から見るとよく似ているのですが、横から見ると、どうも平べったい。店主の方に尋ねてみると、「これは園芸品種の小判草なんですよ」とのことでした。
自然の中で揺れていた小判草も美しかったけれど、この整えられた園芸品種もまた、別の魅力がありました。どちらが上というわけではなく、それぞれがその場で輝いているのだな、と感じました。
道ばたに咲いている草花は、普段は気にも留められず、草刈りの時に一緒に刈り取られてしまうことが多いです。でも、よく見るとどの草もちゃんと花を咲かせて、実をつけています。小判草のように目立たないだけで、そこには確かな命の営みがある。そういう草たちを一輪、二輪、花瓶に挿すだけで、部屋の空気が変わります。
その日、私は園芸品種の小判草を買って帰りました。工房での施術、遠賀川の風、小判草のやさしい揺れ、すべてがひとつながりのように感じられて、静かに心が整う一日でした。
今日もまた、どこかで風に揺れている草たちを思いながら。

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