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赤い小さなダリアが教えてくれたこと――マティスの色、モローの眼差し、そして静かな秋の午後〜喫茶猫屋堂整体〜CS60LOHAS北九州緩み

朝の空氣は澄みわたり、まるで絵筆で描いたように透明な青が広がっていた。

その日、私は近くの直売所へ立ち寄った。木の香りがする小さな建物の中には、野菜や果物、そして季節の花々が並んでいる。

その中に、ひときわ目を引く赤い小さなダリアがあった。深い紅の色。

ただ鮮やかというよりも、まるで心の奥底に眠っていた情熱を呼び覚ますような赤だった。


さらに隣には、紫やピンクのトルコキキョウ、そして白い小花をたくさん咲かせた野菊。

どれも優しく、けれど生命の鼓動を静かに感じさせるような花たちだった。


それらを抱えて、喫茶猫屋堂へ向かう。

パフェグラスを選び、その中に花を一輪ずつ挿していく。

透明なガラス越しに見える茎と水の光が、まるで絵の具のように溶け合って、美しい。

赤いダリアが中央に立つと、空間全体の空氣が少しだけ引き締まった。

それでも、トルコキキョウや野菊がその強さをやさしく包み込んで、調和の音色を奏でているようだった。


その瞬間、ふとマティスの赤を思い出した。

あの絵――「赤い部屋」。

キャンバスいっぱいに広がる赤は、ただの背景ではなく、ひとつの“場”そのものだ。

空間ではなく、平面でありながら、そこには確かに存在する深さがある。

高次元の空間を無理に二次元へ閉じ込めたような、奇妙な圧力と安らぎ。


マティスの「ダンス」に描かれた青もそうだ。

あの青は、単なる色ではなく、生命の旋律だ。

彼は師であるモローから何を受け取ったのだろう。

そして、同じくモローの弟子であるルオー

。あの厚塗りで素朴な人物たちの中に、どれほどの祈りと慈しみが込められていたのだろう。


もしも私が同じ時代に生き、モローであったなら、

マティスやルオーが作品を持って訪れたとき、

私はどんな言葉を彼らにかけただろう。

「これは美しい」と言葉にするより前に、

きっと静かに涙を流したかもしれない。


赤いダリアを見つめながら、そんなことを思う。

絵も花も、人の手を離れたあとに、本当の生命を持ち始める。

喫茶猫屋堂の窓から差し込む秋の光が、花々を照らしていた。

その輝きは、モローが愛した幻想の世界と、

今ここにある現実の小さな場とを、やさしく結びつけているようだった。


そして私は、静かにその場に佇む。

マティスの赤のように、ルオーの厚塗りのように、

この一瞬もまた、心の中に鮮やかに残っていくだろう。


――今日も、CS60LOHAS北九州緩みの一日は、静かな光の中でゆっくりと流れている。


喫茶猫屋堂整体

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