よもぎ餅と長谷寺の話〜福岡県中間市CS60出張施術日記〜喫茶猫屋堂整体。CS60LOHAS北九州緩み
- 管理者

- 10月7日
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朝の空氣は、ほんのりと秋の気配を帯びていた。
福岡県中間市の住宅街を抜けると、掃き清められた道の向こうに、箒三姉妹のご自宅が静かに佇んでいる。玄関前には、手入れの行き届いた竹箒が三本、まるで姉妹そのもののように並んでいた。
今日は、CS60の出張施術の日。
私は少し早めに伺い、三姉妹と一緒に朝の清掃から参加させてもらった。
近くの公園では、桜の落ち葉が舞い、風がさやさやと木々を揺らしている。三姉妹はまるで息を合わせるように、箒の音で朝を奏でていた。その姿には、日々を丁寧に生きる人の静かな氣品があった。
清掃を終え、少し汗ばむ額を拭うころ、柔らかな笑顔とともに家の中へ招かれた。
今日はいつもと順番を変えて、次女様、三女様、そして長女様の順で施術を行うことになった。
身体の声を聴きながら、それぞれの呼吸に合わせてCS60をゆっくりと滑らせる。
部屋には炭の香りが漂い、どこか懐かしい時の流れがあった。
施術が終わるころには、三姉妹の頬がふんわりと上気し、まるで秋桜のように穏やかな笑みを浮かべていた。
その後、長女様が「今日は特別なおやつを」と言って、囲炉裏の炭火を整え始めた。
用意されたのは、手作りのよもぎ餅。
やがて炭の上でじゅう、と音を立て、もちがふくらみ、香ばしい香りが部屋いっぱいに広がった。
「これはね、昔、奈良の長谷寺に行ったときに食べたのが忘れられなくてね。」
と、三女様が目を細めながら話してくれた。
長谷寺の参道で出会ったよもぎ餅の味が、今ではこの家の定番になったという。
ひと口かじると、よもぎのほろ苦さと炭火の香り、そして人の温もりが舌の上で溶け合う。
話題は自然と、長谷寺の本尊――十一面観世音菩薩のことへと移った。
「十一の顔には、それぞれ違う慈悲の表情があるんですよ」と、次女様が静かに語る。
苦しみも怒りも悲しみも、すべてを包み込むその御姿。
「観音様はね、人の痛みを十の顔で受け止めて、十一番目の顔で微笑むんですって」
その言葉に、私は深くうなずいた。
人の身体も、心も、痛みを受け入れ、めぐりを整えることで、ようやく微笑む準備ができるのかもしれない。
箒三姉妹の暮らしは、その象徴のようだった。
掃くことで空間を整え、分け合うことで心を整え、そして感謝のうちに一日を終える。
炭火のぬくもりに包まれながら、私は心の中でそっと手を合わせた。
CS60を通して出会う人々の温かさ――それはまるで、観音の十一の顔のどれかに触れているような、不思議な安らぎをもたらしてくれるのだった。
喫茶猫屋堂整体
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