ストレッチボードを忘れた新宮町花立花のうっかり八兵衛〜CS60施術日記〜CS60LOHAS北九州緩み
- 管理者
- 9月5日
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「さんざんストレッチボードの話をしておきながら、持っていくのを忘れてしまった。」
自宅を出発して、ふと信号待ちの瞬間、私はその事実に氣づいた。ああ、なんとしたことか。これでは、まるで水戸黄門のうっかり八兵衛そのものではないか。
柔らかな秋風が通り抜ける新宮町花立花の住宅街。庭先には、伸びたシマトネリコの枝が揺れていた。施術に必要な道具はきちんと揃えてあるつもりだったのに、肝心のストレッチボードを忘れてしまうとは。内心、少し氣まずさを抱えながらも、私は笑って
「今日はストレッチボードなしの、自然流でいきましょう。」
クライアントさんは、そんな私の失態を咎めることもなく、むしろ「それもまた面白いですね」と微笑んでくれた。なんと寛容な人だろう。おかげで、場がふっと緩む。
施術が始まると、CS60の静かな音と共に、身体の奥で滞っていたものが少しずつ動き始める。痛みの声と、心地よさの余韻。その繰り返しの中で、ふと「忘れ物」という出来事さえも、何かの必然のように思えてくる。
本来ならボードで整えるはずの流れを、今回は自分の手技と感覚だけに委ねることになった。するとどうだろう。身体の声に、より深く耳を傾けることができる。指先の感覚が研ぎ澄まされ、目の前の一瞬一瞬が鮮やかに浮かび上がる。
施術を終えたあと、クライアントさんは立ち上がりながらぽつりと呟いた。
「今日も身体がスッキリしました〜。」
忘れ物をしたことで生まれた偶然の流れが、むしろその方にとって最善の体験を導いたのかもしれない。人間の計画など、自然の大きな流れの前では、ほんの些細な道標にすぎないのだ。
帰り道、自宅にぽつんと置かれたストレッチボードを思い出す。次こそ忘れまいと心に誓いつつも、どこかで「また忘れるかもしれないな」と苦笑する自分もいる。
それでもいい。忘れ物から始まる物語が、今日もまた誰かをゆるめてくれるのだから。
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