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デパートの北海道展と記憶の味とイカの中に魚卵が入っている甘辛い煮物について〜喫茶猫屋堂整体〜CS60LOHAS北九州緩み

デパートの催事場に足を踏み入れると、ふわりと磯の香りが漂った。

毎年恒例の「北海道展」。

年々、新しいスイーツや限定グルメが増えているが、私が手に取るものはいつも決まっている。


それは、小さなイカの中に魚卵のようなものが詰まっている煮物。

甘辛く、照りのあるタレが絡んでいる。

イカ飯ではない。

明太子と魚卵が混ざったものを詰めた小さなイカで、空港やサービスエリアで見かけることもある。

懐かしさと、どこか切ない記憶の味だ。


思えば、幼い頃の記憶の中にも、そのイカがあった。

近くのスーパーの中の一角にその場で調理しながら販売していたそれを、母が買ってきてくれていた。

白いご飯の上にひとつ置くと、つやつやとした姿がまるで宝石のように見えた。

小さな頃の私は、それを少しずつ噛みしめながら食べていた。


イカが好きなのは、祖父の影響かもしれない。

祖父はよく釣りに出かけていた。夜中に船に乗り、イカを釣りにいったそうだ。

潮風を浴びて帰ってくる祖父の姿を、今でも覚えている。

倉庫には大量の釣り道具があったが、倉庫の中身を全て盗難にあってしまったことがあったそうで、私の草刈機もなくなってしまった。


あの頃、スルメのような干したおつまみを、誰かが小さな私にちぎって食べさせてくれていたのかもしれない。

それが、最初の「海の味」だったのだろう。


北海道展には、うにも並んでいた。

だが、うにを初めて食べた記憶はない。

それほど身近なものではなかったのだ。


カニを初めて食べたのは、小学生の高学年の頃。

祖母が魚屋で大きなカニを買ってきてくれた。

台所の鍋に湯気が立ちのぼり、家中に潮の香りが満ちた。

あの夜、家族みんなで食卓を囲み、無言でカニをほじっていた。

あの笑い声、あの湯氣。

いま思えば、もう二度と集うことのないメンバーだった。


家族。

もう、あの頃の家族と同じ時間を過ごすことはできない。

けれど、あの世で若返ったみんなが再び集い、食卓を囲んでいるのかもしれない。

もしくは、もう別の姿で地上に生まれ変わっているのかもしれない。

それでも、きっとどこかで笑っているだろう。


もし、あの頃の祖父母と今の私が同じ年頃で出会えたなら、

どんな会話をするだろう。

戦中戦後を生きた祖父たちに、私は何を語れるだろうか。

時代の流れが生んだ溝はあるとしても、

同じように海の幸を味わい、夕暮れの風を感じ、誰かを想っていたのなら、

やはり人の本質はそんなに変わらないのかもしれない。


食べ物は、記憶と心を結ぶ糸のようなものだ。

北海道展で買った小さなイカを噛みしめながら、

私はあの頃の家族を思い出す。

温かい食卓の記憶が、いまの自分をそっと包む。


CS60の施術でも、人と人との「つながり」や「温もり」を感じることがある。

身体を通して、過去の記憶や想いがほどけていく瞬間がある。

誰かと食卓を囲むように、

心と身体が「今」という場で出会う。


北海道展の味は、

あの日の記憶と、いまの私をつないでくれる。

そうして今日もまた、身体の奥で静かに何かが整っていくのを感じる。


喫茶猫屋堂整体

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釣り

 
 
 

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