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ラーメンと走り続ける男性—— 八幡西区の午後にて--CS60LOHAS北九州緩み

七月の午後、陽は沈み、虫の鳴き声が耳に心地よい時間帯だった。

その男性の家は、八幡西区に建つ集合住宅の六階にあった。エレベーターを降り、長い廊下を抜けると、風の通る部屋が待っていた。室内には無駄のない整頓がなされ、長年走り続けてきた者特有の、無駄をそぎ落とした生き方がにじんでいた。


男性は学生時代からマラソンを続けているという。「走るというのは、修行ですね」そう言って笑うその腕は日焼けして、時計の形に白く皮膚を残していた。

日々の鍛錬の証、そうとしか言いようのない、土と風と陽に晒された男性の証明だった。

休日は午前中に軽く走り、午後にはラーメン屋を巡るのが何よりの愉しみだという。福岡に来てから特に、豚骨ラーメンに心を奪われたらしい。


施術はリビングで行った。静かな空間に流れる音楽と、湿度をほどよく制した空氣の中で、私はCS60のデバイスを手に取った。まずは足。全体を軽く滑らせるように施術し、うつ伏せのまま足を上げてもらう。足が、自然に上がる。

男性の表情がほころんだ。言葉を選ばず言えば、「うれしい顔」だった。

施術者として、それは何よりの報酬でもあった。

続いて背骨、仙骨へと手を移す。緊張の残るポイントをゆっくりと解きほぐし、仰向けになってもらった頃には、男性のまぶたはすでに半分閉じていた。「寝てしまいそうでした」そう言われたとき、私はすまない氣持ちになった。

せっかくの心地よさを、次の工程のために起こしてしまったことが悔やまれたのだ。


仰向けになり、ふたたび足へ、そしてお腹へと手を当てる。腹部に、ほんのわずかだが氣の滞りを感じた。CS60を当て、軽く押下し、そして離す。それを繰り返すうちに、感覚がやわらいでいくのがわかる。

最後は顔と頭部。音もなく、まぶたが落ちる。その眠りは、深い川底のように静かで、平和なものだった。そして再度お腹に触れると、澱みは流れ、施術の仕上げを告げるような、やわらかな響きが手のひらを通じて伝わってきた。


「これでまた、思いっきり走って、食べることができます」そう言って見せた笑顔は、まるで高校生のような透明感があった。肉体は歳を重ねてゆくが、情熱は時に、それを凌駕する。

施術後にいただいた麦茶は、氣が遠くなるほど冷たくて、うまかった。

氷が解ける音を聞きながら、男はスマホを取り出し、次々とラーメンの写真を見せてくれた。


「最近はね、豚骨以外にも醤油とか味噌とか、色々あるんですよ。だけど、やっぱり俺は、豚骨が好きなんです」


その言葉のあとに続く話が、面白かった。「紹介されて行ってみた店が、自分にはまるで合わなかったりするんですよ。逆に、『あそこはたいしたことない』って言われてた店が、最高だったりもして」

人の好みは、十人十色。その違いを笑い飛ばすのではなく、肯定するように彼は言った。


「ラーメンも、人間も、多様性こそが豊かさですから」


彼の言葉のひとつひとつが、腹に落ちる。この男は、まだ見ぬラーメンを求めて走り続ける。未踏の味覚、未踏の道。汗を流しながら、自分の足で辿り着く幸福を信じている。

この日、確かに「整った」のは、体だけではなかった。

全力疾走

 
 
 

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