冬の入り口で咲く赤い光 — 喫茶猫屋堂のそばの山茶花と、静かな朝の彩り〜喫茶猫屋堂整体〜CS60LOHAS北九州緩み
- 管理者

- 12月4日
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喫茶猫屋堂へ向かう道の途中、小さな公園がある。
朝の空氣はまだ冷たく、吐く息が白くのびていく。冬が本格的に近づいてきていることを、肌で感じる季節だ。
その公園の角、いつも通り過ぎる歩道の脇に、ふと赤い色が目に留まった。
山茶花だ。
今年もまた、静かに、ゆっくりと、咲き始めている。
大きな赤い花びらは、まるで冬の空に灯る焚き火のようだ。
鮮やかで、そして不思議なほど温かい。
葉の緑は濃く艶を帯び、光を受けると蝶ネクタイのように整って見える。
冬のコートの襟元を飾るブローチのようで、思わず近寄ってしまう。
花の大きさはどれも少しずつ違い、ひとつひとつが個性を持っている。
そして、まだ固く閉じられた蕾が枝いっぱいに並んでいた。
これから先の寒さを知りながらも、凍える空氣の中で、出番を待っている。
「まだだよ。だけど、もうすぐだからね。」
そんな声が聞こえてきそうなほど、蕾は静かな力でふくらんでいた。
冬の公園の空氣が透明になって、花の色がより鮮やかに浮かび上がる。
猫屋堂に来るお客様にも、ぜひ見ていただきたいと思う景色だ。
寒い季節の中にも、自然が小さな灯りをともしてくれている。
それに気づくだけで、今日一日が少しやさしい色で始まるような気がした。
私はその赤い花に軽く会釈をして、歩き出した。
喫茶猫屋堂の扉をあけると、いつもの温かい香りが迎えてくれる。
カップの湯氣の向こう、窓から見える冬の光は、山茶花と呼応するようにきらきら輝いていた。
ひと息つく時間。
冬の朝の静けさと、赤い花の物語を胸に。





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