冬の夜にふと立ち寄った中華料理屋で味わう四川風の一皿と、人間らしい何もしない時間がくれた静かな幸せの物語。喫茶猫屋堂整体〜CS60LOHAS北九州緩み
- 管理者

- 6 日前
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夜の町は、冬の冷たい空氣をまといながらも、ところどころに灯る明かりが、歩く者の心をそっと温めてくれる。新宮町からの帰り道、ふと足が向く中華料理屋がある。遅い時間でも、店の奥から聞こえる中華鍋の金属音が、今日も頑張った人々を迎え入れてくれるようだった。
店の扉を開けると、湯氣に包まれた香りがふわりと揺れる。炒め物を注文する時、いつもの「甘辛」ではなく、ふと思い立って「今日は四川風にできますか」と頼んでみた。店主は目尻をやわらかくして「いいですよ」と返し、鍋を振る腕に力を込める。
唐辛子が油に触れて弾ける音がした。山椒の香りが鼻先をかすめる。その奥に、深い味わいの中華スープの香りが続く。普段食べ慣れている味とは違い、どこか異国の風が吹き込んできたようで気持ちがすっとする。
皿が運ばれてきて、思わず目が止まった。いつもは黒いキクラゲが彩りを添えているが、今日はオレンジ色の人参が主役のように輝いている。小さな違いなのに、料理の印象はまるで別の一皿だ。
一口食べると、唐辛子の刺激と山椒のしびれ、その奥にやさしい旨み。新鮮で、よく、そして楽しい味だった。気付けば大盛りごはんを二杯。箸を止めることができず、笑いながら店主と「食べすぎましたね」と冗談を交わす。
満腹のまま家に帰り、あれもやろう、これも済ませるつもりだったはずなのに、布団に横になった瞬間、まぶたがゆっくり落ちていった。冬の夜の静けさに包まれ、深い眠りへと身を預ける。

何もできなくても、そんな夜があってもいい。
人間らしくて、いいね――
そう思いながら、また明日へ向かう。
喫茶猫屋堂整体
CS60LOHAS北九州緩み




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