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冬の夜に灯る味の記憶 ―串カツの店主源蔵の声とすき焼き〜喫茶猫屋堂整体〜CS60LOHAS北九州緩み

 青年はまた、あの六地蔵の小さな祠に立っていた。冷たい風が吹き抜け、枯れ葉が石畳を転がっていく。

 手にした線香に火をつけると、白い煙がゆらゆらと立ちのぼり、冬の空へと消えていった。

 そのとき、祠の脇に小さな紙切れが落ちているのが目に入った。


 拾い上げると、手書きの文字がそこにあった。青年は不思議な氣持ちでそのメモを写し、自宅に帰ると、すぐに羅臼昆布を買いに出かけた。

 昆布を水に漬け、一晩寝かせる。

 翌朝、ゆっくりと火を入れ、香りが立ちのぼると、部屋の空氣が静まり返った。

 だしをとり、メモに従って醤油と味醂、酒、甜菜糖を合わせる。

 味見をすると、深い旨味と穏やかな甘みが広がり、心の奥にやさしい温もりが灯った。


 「これを、何に使うのだろう」

 そう呟きながら、青年は前に作った串カツのタレに少し加えてみた。

 味は驚くほど変わった。

 懐かしい香ばしさの中に、まるで祈りのような静けさが溶け込んでいる。


 「少し、美味しくなった気がする」

 そう思った瞬間、心の中で源蔵の笑い声が聞こえたような氣がした。


 それから数日後。

 寒さが一段と深まったある夜、青年は温かい鍋が食べたくなり、すき焼きを作ることにした。

 牛肉、えのき、いとこんにゃく、長ネギ。

 材料をそろえ、鉄鍋を火にかけ、じゅうっと音が立った。

 いつものように砂糖を入れようとしたその時――


 「……ワリシタ」


 ふと、耳元で源蔵の低い声が聞こえた。

 青年は思わず手を止めた。

 鍋の向こうには誰もいない。

 ただ、ゆらめく湯気の中に、源蔵の笑った顔が浮かんだような氣がした。


 青年は砂糖を戻し、代わりに先日の“昆布だしの醤油タレ”を注いだ。

 湯気が立ちのぼり、部屋いっぱいにやさしい香りが広がる。

 一口食べると、心の奥がじんわりと温まった。

 それは懐かしさでもあり、安心でもあり、どこか「導かれている」ような味だった。


 青年は箸を置き、静かに手を合わせた。

 あの店主は、もうこの世にはいないのかもしれない。

 けれど、その想いは味として、祈りとして、今も生き続けているのだろう。


 ――料理とは、心を写すもの。

 誰かの想いが伝わり、また別の誰かの手に宿る。

 それは、CS60の施術と少し似ている。

 手の中に、言葉では伝えられない「ぬくもり」が流れ、

 やがて相手の身体と心を静かに整えていく。


 青年は湯氣の中で、ふと笑った。

 源蔵の「ワリシタ」の声は、ただの記憶ではなく、

 彼の心が少しずつ“整いはじめた”ことの証だったのかもしれない。


喫茶猫屋堂整体

CS60LOHAS北九州緩み

ベリー

 
 
 

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