動きだした柱時計〜八幡西区CS60施術日記〜CS60LOHAS北九州緩み
- 管理者
- 8月18日
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更新日:8月18日
八幡西区の住宅街を歩いていると、ふと風がひときわ涼しくなる瞬間がある。
その風に誘われるように曲がった先に、その家はあった。
白い漆喰の壁と、古い木の扉。
まるで時間がゆっくりと流れているような、不思議な佇まいだった。
「ようこそ…」
扉を開けた女性は、涼やかな笑みを浮かべていた。
年齢は…聞くのも野暮に思える。
和服の袖から覗く手首は、硝子細工のように繊細で、けれど芯の強さを感じさせた。
施術を始めると、部屋の空氣がすっと変わっていった。
外の蝉時雨が遠くに引き、かわりに何か古い時計の音が耳に届く。
見回すと、部屋の壁には大小さまざまな柱時計や置き時計が並び、静かに針を進めていた。
「不思議でしょう?」と女性が笑った。
「うちの時計たちはね、私の心と同じ速さで動くんです」
施術を終えると、彼女は奥の部屋からひとつの古い時計を持ってきた。
それは、飴色の木枠に囲まれた、小さな振り子時計。
「これはね、祖母が大切にしていたもの。
祖母が亡くなった日から、ずっと止まったままだったの。
でも、なぜか今日は…動き出してるでしょう?」
たしかに、金色の振り子はゆっくりと揺れていた。
その規則正しい動きは、部屋の空氣に溶け込み、心に静かな波紋を広げていく。
施術後、和室でお茶をいただきながら窓の外を見ると、青空に白い雲が流れていく。
何も特別なことはないはずなのに、時が少しだけ優しくなった氣がした。
そして、お祖母様のお話を聞かせていただいた。大正、昭和、平成、令和と激動の時代を生きてこられたそうだ。時代の厳しさを家庭の中では優しさに変えて、いつもお腹が空いていないかを氣にかけてくれたそうだ。
帰り際、女性は微笑みながら言った。
「また来てくださいね。次は、別の時計が動き出すかもしれませんから」
そして、庭で採れた青紫蘇とすだちを持たせてくれた。
私は自宅にあったエノキをベーコンと青紫蘇で巻いて、塩胡椒をして串に刺して焼いた。
すだちをかけていただくと、絶妙な逸品になった。いくらでも食べられるような感じがした。
エノキのベーコン巻き
青紫蘇とすだちが引き出す、夏の味覚だ。
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