『塩入り甘酒の午後 ― 八幡西区にてCS60出張施術 CS60LOHAS北九州緩み』
- 管理者
- 6月25日
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その日の空には、ひとすじも風がなかった。
陽射しは夏を告げていたが、八幡西区の住宅街にあるそのお宅のリビングは、きちんと冷房が行き届いていた。出張施術の依頼をくださったのは、穏やかな口調の男性だった。
「左肩が、少し…氣になってですね」
そう言ってシャツの袖をまくる仕草には、どこか自分自身への遠慮がにじんでいた。
冷えた空氣に触れたその腕は、ところどころに生活の痕跡を刻んでいた。手首、肘、そして上腕へと順にCS60を当てていく。表層の痛みではない。根は、もっと奥にある。
施術を始めて10分ほど経った頃だった。
「……あれ、上がりますね。無理なく。」
ご自身でも驚いたような声音。肩を上げ、静かに何度も確かめるように動かしている。次に、脇の下の奥へとアプローチし、肋骨の間に潜む硬さを丁寧にほどいていった。
それは、まるで忘れられた場所に灯をともすような時間だった。
「あぁ…不思議ですね。腕が広がる感じですね。」
施術後、男性は少しだけ身体を横たえ、ぼんやりと天井を見上げていた。どこか、リラックマのぬいぐるみのような、脱力した安心感をまとって。
「たぶん、長いこと動画を観てたんですよ。ソファに沈み込んで。腕が動かなくなるまで…気づかないもんですね。」
その言葉には、自分自身への優しい叱咤が含まれていた。人は、氣づいたときから変わり始める。人生は何度でもやり直せる。ただ、身体には回復のための時間が必要だ。焦ることはない。
施術の後、冷やした甘酒を出してくださった。
「塩と少しの水を加えてます。この時期にいいんですよ。」
たしかに、体に染み入る優しい味だった。冬にいただく生姜入りも好きだが、塩入り甘酒は夏の午後にふさわしい清涼感がある。
外では陽氣な雲雀が鳴いていた。クーラーの風の中で、遠くその声が聞こえる。
施術という行為は、ただ「癒す」ものではなく、過ごしてきた時間をなぞりながら、少しずつ「手放して」ものだと思う。
そして今日もまた、一人の生活に静かに寄り添えたことに、感謝している。
CS60LOHAS北九州緩み

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