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抹茶金時といちじくのある庭〜遠賀郡遠賀町のCS60施術日記〜CS60LOHAS北九州緩み

梅雨が明け、快晴の日が続くある日、遠賀郡遠賀町まで、私は向かった。住宅街の一角にその家はあった。高く伸びたいちじくの木が、門の内側で密かに熟した実を抱えていた。数日前の雨で膨らんだ実には、小さな穴がいくつもあいていた。鳥たちの仕業だ。そこへまた、蝶が、虫が、忙しなく訪れている。


私は門をくぐり、靴を脱ぎ、和室へと案内された。


「全体的に疲れぎみなので、お願いします」


そう言って横になるご主人は、背筋が伸びており、まるでアスリートのようだった。私はCS60を手に取り、慎重に、しかし躊躇なく施術を始めた。CS60を滑らせながら思う。この金属の塊は、ただの道具だろうか。それとも、私たちにまだ知らされていないテクノロジーが、どこか異星の研究室や未来から届いたのだろうか。人間の身体は、不思議な力でここまで楽になるものなのか?


施術後、ご主人は鏡の前で首を回した。


「おお、真っ直ぐ立てて、よく動く……肩まですごく楽になった」


この瞬間の笑顔が、私の仕事の中でいちばん価値のある部分かもしれない。


縁側に出ると、藤の木が一本、いちじくの隣に生えていた。季節外れの、たった一房の花が、日差しのなかに揺れていた。その風景は、何か時間の綻びのようだった。あるいは、別の暦がそこに咲いていたのかもしれない。


「いちじくのジャムとゼリーは私の仕事だけど、夫はそんなに食べないのよ」


と、奥様が笑った。代わりにご主人は「かき氷」に熱を注いでいるらしい。ふわふわの氷を削るために、高級な機械を購入し、さらにはシロップも独自に研究しているという。娘さんは苺が好きで、ざく切りの果肉と練乳は必須とのことだった。


「でも、私の一番の自信作は抹茶金時です。よかったら食べていきませんか?」


ご主人がそう言った時、私はなぜか胸の奥が静かに震えた。これが日常の誘いであるはずがない。何かが始まる氣配がしたのだ。


まずは一服、と出された抹茶は、香り高く、苦味の奥に微かな甘さがあり、飲んだあとも鼻の奥にその緑の余韻が残った。産地を聞くと、鞍手町の老舗茶舗から取り寄せているらしい。そこで培われた風味が、次に出てきたかき氷に変化して登場した。


大きなガラスの器に盛られた氷は、確かにふわふわで、羽毛のようだった。その上に、さっきの抹茶が大胆にふりかけられていた。シロップは控えめ。氷と茶の呼吸を邪魔しない程度の存在感だった。そして、食べ進めると、中から姿を現したのは……金時。


厳選された小豆は、甘さを押しつけない。控えめでいながら、その存在を主張していた。氷、抹茶、金時──それぞれが個として完成されていながら、合わさった瞬間に、思わぬ調和を奏で始める。これは、音楽だった。和の三重奏。そして、氷を使った新しい茶道だと思った。


「……この味は、どこから来たのですか?」


私はふと、そんな質問をしていた。


ご主人は笑って答えた。


「昭和の懐かしい思い出の味を再現しようとしたのがきっかけでした。そこから上質で体にも良く、安心して食べられて、美しい物を作り上げたいと思うようになって、こんな感じになりました。実は銘木を使った拭き漆のお椀が欲しいんですが、家族に反対されています。」


縁側を風が吹き抜けた。いちじくの葉が揺れ、庭に落ちた光が、流れ星のようにきらめいた。


感謝しています。この日常の中に潜む普通の人の普通の暮らしの中で私はまた一つ、知らない扉を開けたのかもしれない。

いちじく

 
 
 

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