夜明け前の柚子湯の儀式――静けさと香りに包まれる冬のはじまりの時間。喫茶猫屋堂整体〜CS60LOHAS北九州緩み
- 管理者

- 11月30日
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爽やかな朝の夜明け前、世界がまだ眠っているその時間帯に、静かに風呂場の明かりを灯す。
冷えた空氣の中、黄色く輝く丸い柚子が一つ、掌に収まった。冬の訪れを知らせる香り。皮を軽く撫でるだけで、爽やかな氣が立ちのぼるようだ。
その柚子をそっと洗い、ひとつずつ水氣をふき取る。
まだ夜の名残をとどめた静寂の中で、すぅっと息を吸うと、柚子特有の優しい香りが胸の奥まで広がり、心がふっと緩んでいく。
洗濯ネットに柚子を入れて、湯船に沈める。
じわりと湯氣が立ち、柚子の香りがゆっくりと空間に溶けてゆく。
風呂の中で温められた柚子が、ふくらんでは縮み、再びふくらむたびに、まるでその瞬間にだけ開く秘密の扉のように、深い香りを湧き立たせる。
手のひらでそっと柚子を握りしめると、果汁がやさしく溢れ、湯船の中に広がっていく。
湯が、まるで光を帯びたように見えた。
香りが湯氣に乗って身体の周りをぐるりと包みこみ、どこからか冬の朝陽が差しこんだような温もりが生まれてくる。
呼吸をゆっくりと整えると、胸の奥がふんわりと軽くなっていく。
肩から背中へ、そして足先へと、ゆるやかな波が広がる。
何かが解けていくような感覚。
それは、柚子湯ならではの豊かな時間だった。
柚子をさらに絞ると、果肉の柔らかな甘い香りが一層強くなり、湯氣と共に立ちのぼる。
風呂場全体が金色の光に満ちたような心地になり、気がつけば、深く深く息を吐いていた。
まるで、身体の内側に新しい朝のリズムが流れ出すようだった。
湯船から上がったあと、浴室の扉を開くと、外の冷たい空氣がスッと入り込み、暖かさと冷たさのコントラストが心地よかった。
その瞬間、確かに感じた。
今日という一日が、きっと穏やかで、清らかな時間になるという予感を。
冬の朝、そっと自分を整える時間。
それは、贅沢とも呼べる、静かで美しい儀式のようだった。
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