大好きなチーズハンバーグ
- 管理者
- 4月9日
- 読了時間: 2分
友人と三人、宛てもなく街を歩いていた。
昼下がりの喧騒を抜け、大通りから脇道へ、さらに住宅街へと足を運ぶ。
どこか異国のような空気を感じさせる建物、細い路地の奥に佇む古びた家々。
その景色に惹かれ、ただ歩き続けていた。
気がつけば、ずいぶん遠くまで来てしまった。
足は重くなり、腹は鳴る。
しかし、タクシーなど通る気配もない。
どこかで休める場所を探そうとした矢先、一軒のレストランが目に入った。
ガラス越しに店内を覗くと、満席の賑わい。
窓際の男がナイフを入れると、ハンバーグの上でとろけるチーズが艶やかに広がった。
その様子を見て、迷うことなく扉を開ける。
席に案内されたものの、メニューはすべて英語。
料理名の見当もつかない。
だが、空腹に相応しくないものを注文しないようにメインのカテゴリーから選択した。
そして、幸いにも「チーズ」は読めた。
残る二人は「ポーク」と「チキン」の単語を拾い、それぞれ指差しでオーダーを済ませた。

厨房から漂う香ばしい香りが、さらに空腹を煽る。
やがて、白い皿に乗せられたオニオンフライが運ばれてきた。
まさか、これだけ?
そんな不安がよぎる中、ポークステーキがテーブルに置かれる。
厚切りの豚肉はスパイスの香りをまとい、見るからにジューシーだ。
しかもご飯との相性も抜群だ。
次に運ばれてきたのはチキンステーキ。
焼き目のついた皮がパリッと音を立てそうなほど香ばしい。
そして最後に、目の前に置かれたのは——
三つの巨大なクレープだった。
ドン、ドン、ドン、と勢いよく並べられる。
たっぷりのイチゴソースが滴り落ち、中にはトロリとしたチーズが包まれている。
まさかの光景に途方に暮れる三人。
しかし、すでに料理は目の前にある。
覚悟を決め、クレープにフォークを入れる。
口に運ぶと、甘酸っぱいイチゴと濃厚なチーズの塩気が絡み合う。
意外にも悪くない。いや、むしろ美味い。
食事の後、店を出る頃には満腹と笑いで心が満たされていた。
このお話を聞かせてくださった尊敬するラッパーのPUNJUさんに感謝しています。
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