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寒い朝にひらく、ぜんざいの物語 — 喫茶猫屋堂整体ーCS60LOHAS北九州緩み

寒さがぐっと深まった朝だった。

家の窓ガラスには、うっすらと白い息がふれたあとのような曇りが残っている。外に出れば、ピンと張りつめた冷たい風が頬をかすめ、思わず背中がすくむ。季節は確かに冬へ向かって歩みを進めている。


こんな朝こそ、ゆっくりとあたたまる時間を持ちたくなる。

前日の夜、静かな台所で小豆を水につけたときから、この朝の支度は始まっていた。


水を含んだ小豆は、鍋の中でころりと形を変えながら、弱火でゆっくりと炊かれていく。

甘さをつける甜菜糖は一度に入れず、三回に分けてそっと加える。そのたびに、香りと深みが少しずつ広がっていくように感じる。最後にほんのひとつまみの塩を落とすと、味わいがきゅっと引き締まる。


焼き網の上では、餅がぷくりとふくらみ、表面の焼き色が香ばしくなっていく。その様子はまるで、寒い朝にもかかわらず、台所だけに小さな春が訪れたかのようだ。


器に盛られたぜんざいの上に、焼きたての餅を二つ。

柔らかく溶け出す餅が、ゆったりと小豆の海に沈んでいく。

どこか赤福を思わせるような、素朴なのに上品な一杯になった。


湯気とともに広がる甘い香り。

ひと口すすると、肩の力がゆるみ、胸の奥にまであたたかさが広がっていく気がした。

“からだがじんわりと目覚めていく” そんな朝ならではの心地よさがある。


寒い朝は、とかく心まで縮こまってしまう。

けれど、温かな食卓を囲むと不思議と氣がゆるみ、自然と笑みがこぼれる。

食べものが持つやさしさは、季節の厳しささえもふんわり包んでくれるようだ。


このあと、CS60の施術を予定しているお客様がいらっしゃる。

朝のあたたかさが、そのままお渡しできるような、そんな一日にしたい。

寒くなる季節こそ、からだのめぐりや氣の流れがふっと整っていくような時間を、丁寧にお届けできればと思う。


ぜんざいの湯気が立ちのぼる台所で、そんなことを静かに思った。

外はまだ寒い。でも、心の中にはすでに小さな陽だまりができていた。


喫茶猫屋堂整体

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