至高の塩パンが玉座にたどり着いた朝〜喫茶猫屋堂整体〜CS60LOHAS北九州緩み
- 管理者

- 11月20日
- 読了時間: 2分
今朝、寝室に差し込む光は、やわらかく冬の氣配を含んでいた。
ストーブの上では湯氣がふわりと立ちのぼり、まだ誰もいない静かな空間に、ふくよかな香りだけが満ちていく。その中で、私はひとつの包みを開いた。
中にあったのは、ある方からいただいた特別な塩パン。
店頭には並ばないという、こだわり抜かれた逸品だと聞いていた。
ひとくちかじると、まず小麦の甘い香りがほどけ、続いてバターの豊潤さがふわりと鼻先をくすぐった。塩のきらめくようなアクセントが生地に寄り添い、口の中で静かに輪郭を描いていく。
「こんな塩パンがあるのか」と、しばし動きを止めてしまうほどの深みがあった。
──ところが、そのさらに上が存在していたのだ。
いただいた方が教えてくれたのは、ある意味で禁断にも思える食べ方だった。
フライパンに大量のバターを溶かし、その中に塩パンをそっと潜らせる。
じゅわ、とかすかな音がして、バターはゆっくりとパンに吸いこまれ、黄金色の艶をまとっていく。
皿に移したそれをひとくち食べた瞬間、私は思わず目を閉じた。
パンの中心にまでしみ渡ったバターの温かさが、滑らかな波のように広がっていく。
外側は薄く香ばしく、中はしっとりとほどける。
味はシンプルなのに、底なしの奥行きがあった。
誰しも、小麦もバターも塩もイーストも、人生のどこかで必ず味わっている。
だが「バターの海に浸す塩パン」など、聞いたことがない。
アヒージョが少し近いかもしれないが、こちらはさらに研ぎ澄まされ、雑味のない世界。
ただただバターと塩パンという二つの存在が寄り添い、互いの美しさを引き立て合っていた。
食べ終えたとき、不思議と身体の内側の緊張がひとつほどけた気がした。
まるで、塩とバターの香りが心の奥の鍵に触れ、静かに扉を開けてくれたようだった。
心の奥にもう一度あたたかい風が通り抜ける。
今日も、ここに訪れる誰かがふっと肩の力を抜き、少しだけ軽やかな感覚を持ち帰れますように。
そんな願いを胸に、私は新しい一日の準備を始めた。
喫茶猫屋堂整体
CS60LOHAS北九州緩み





コメント