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至高の塩パンが玉座にたどり着いた朝〜喫茶猫屋堂整体〜CS60LOHAS北九州緩み

今朝、寝室に差し込む光は、やわらかく冬の氣配を含んでいた。


ストーブの上では湯氣がふわりと立ちのぼり、まだ誰もいない静かな空間に、ふくよかな香りだけが満ちていく。その中で、私はひとつの包みを開いた。


中にあったのは、ある方からいただいた特別な塩パン。

店頭には並ばないという、こだわり抜かれた逸品だと聞いていた。

ひとくちかじると、まず小麦の甘い香りがほどけ、続いてバターの豊潤さがふわりと鼻先をくすぐった。塩のきらめくようなアクセントが生地に寄り添い、口の中で静かに輪郭を描いていく。

「こんな塩パンがあるのか」と、しばし動きを止めてしまうほどの深みがあった。


──ところが、そのさらに上が存在していたのだ。


いただいた方が教えてくれたのは、ある意味で禁断にも思える食べ方だった。

フライパンに大量のバターを溶かし、その中に塩パンをそっと潜らせる。

じゅわ、とかすかな音がして、バターはゆっくりとパンに吸いこまれ、黄金色の艶をまとっていく。


皿に移したそれをひとくち食べた瞬間、私は思わず目を閉じた。

パンの中心にまでしみ渡ったバターの温かさが、滑らかな波のように広がっていく。

外側は薄く香ばしく、中はしっとりとほどける。

味はシンプルなのに、底なしの奥行きがあった。


誰しも、小麦もバターも塩もイーストも、人生のどこかで必ず味わっている。

だが「バターの海に浸す塩パン」など、聞いたことがない。

アヒージョが少し近いかもしれないが、こちらはさらに研ぎ澄まされ、雑味のない世界。

ただただバターと塩パンという二つの存在が寄り添い、互いの美しさを引き立て合っていた。


食べ終えたとき、不思議と身体の内側の緊張がひとつほどけた気がした。

まるで、塩とバターの香りが心の奥の鍵に触れ、静かに扉を開けてくれたようだった。


心の奥にもう一度あたたかい風が通り抜ける。

今日も、ここに訪れる誰かがふっと肩の力を抜き、少しだけ軽やかな感覚を持ち帰れますように。

そんな願いを胸に、私は新しい一日の準備を始めた。


喫茶猫屋堂整体

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塩パン

 
 
 

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