山茶花の咲く冬の庭と、やさしい焼き芋の香り。喫茶猫屋堂整体〜CS60LOHAS北九州緩み
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- 12月2日
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庭に出ると、薄く澄んだ冬の空氣が頬に触れた。
風は凛としているのに、どこか柔らかい。季節の移り変わりをそっと伝えてくれるような、静かな朝だ。
ピンク色の山茶花が、冷たい空氣の中でふんわりと咲いている。
冬は花の少ない季節だと言われるけれど、この小さな花はまるで「ここにいるよ」と手を振るように咲き、庭を明るく照らしてくれている。
その色は、まるで心をやさしく温める灯火のようだ。
ふと視線を横に向けると、ブルーベリーが鮮やかに紅葉していた。
夏にはたくさんの実をつけて楽しませてくれた木が、今度は赤く深い色で静かな美しさを見せてくれる。
季節が巡っても、こうして何度でも魅せてくれる植物たちの力強さに、思わず胸が熱くなる。
木蓮と梅の木は葉を落とし、今は枝だけになっている。
だが、その姿から感じるのは終わりではなく「準備中」という静かな息づかいだ。
新しい季節に向け、内側でゆっくりと力を蓄えているのだろう。
冬の庭は、一見眠っているようでいて、本当は未来へ向けた鼓動で満ちている。
そんな景色を眺めていると、室内からオーブンの音が聞こえてくる。
やがて漂ってきたのは、香ばしいさつまいもの香り。
甘い香りは、空気の冷たささえ柔らかく包み込んでしまう。
焼き上がったばかりの焼き芋を三つ、ほくほくと頬張る。
皮の香り、湯氣、そして心にしみるようなやさしい甘さ。
ほんのり甘い冬の味は、ただの食べ物ではなく、心を静かに整えてくれる時間そのものだった。
外の庭では、植物たちが次の季節へ備えている。
内側では、焼き芋の温かさが体の中心に広がっていく。
静かで穏やかな冬の時間。
こういうひとときこそ、日常の中の大切な贈り物なのだと改めて感じた。
今日も、心のリズムがふわりと整う。





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