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折りたたみナイフと日向ぼっこ 〜八幡西区三ヶ森のCS60施術日記〜CS60LOHAS北九州緩み

梅雨の晴れ間というのは、どうしてこうも特別に感じられるのだろう。

八幡西区・三ヶ森の住宅街を歩くと、剪定されたばかりのつつじの上に、小さな茶色いトカゲが日向ぼっこをしていた。

背中にかすかに金色の光を帯び、しばらくじっとこちらを見ていたが、また目を閉じて氣持ちよさそうに眠るそぶりを見せる。そんな穏やかな一日だった。


この日、CS60の施術を受けてくださったのは、ご自宅の庭木を剪定して少しお疲れぎみの男性だった。

移動の際にはときどき電動車いすを使うというが、話しぶりからは、その操作を愉しんでおられる様子が伝わってくる。「意外とスピードが出るし、おもしろいんですよ」と笑っておっしゃる。立って歩くこともできるが、買い物帰りなどにはこの乗り物が便利なのだという。


施術が終わると、奥様の淹れてくださったコーヒーを手に、リビングでしばし談笑した。「ナイフ、お好きですか?」突然の問いに、私は少し驚きながらも、若い頃から愛用している一本を思い出した。岐阜県関市のモキナイフ製、“きたきつね”。ハンドルには、緻密な木目のかりんが使われており、長年手にしてきた自分の手の形に、すっかり馴染んでいる。


「僕はこれ」そう言ってご主人が見せてくださったのは、ラブレスのナイフだった。鹿の角でできたハンドルは飴色に変わり、まさに長年使い込まれた道具の風格をたたえていた。「ナイフの神様の作品ですよ」その声には確かな誇りがにじんでいた。


「よければ、研いであげましょうか」思いがけない申し出に甘えて、私は昼食後、きたきつねを持って再びお伺いした。「研ぎあがりは夕方でもいいですか?」そんなに早く仕上がるものなのかと驚いたが、ご主人の表情には一点の曇りもなかった。


そして夕方。仕上がったナイフを手にした瞬間、私はその切れ味と、研ぎの美しさに言葉を失った。まるで新品のように、けれどどこか魂が吹き込まれたような氣がした。


お礼にもう一度、CS60で施術をさせていただくと、ご主人は少し照れたような笑みを浮かべながら、ナイフコレクションの一部を見せてくださった。


黒く小さな折りたたみナイフを片手でスッと開くその手つきは、まるで達人の早業のようだった。私はきたきつねで挑戦してみたが、どうしても動作がもたつく。「練習あるのみですよ」と笑うご主人の目は、少年のようだった。


赤い模様が鮮烈な一本。スミス&ウェッソンの重厚なミリタリーモデル。細身の螺鈿細工がきらりと光る一本……それらが静かに並ぶ様は、まるでひとつの美術展のようだった。


最後に、ご主人が取り出してくれたのは、湖池屋ファームのこだわりポテトチップスの袋。「何でも、実用的なのが一番です」ナイフで袋を切り開きながら、そう言った。


カップに注がれた温かいコーヒーと、薄塩のポテトチップス。ただそれだけの光景が、どうしようもなく豊かに感じられるのは、きっとこの時間が本物だからだろう。

ご主人の飾らない笑顔に、深い癒しをいただいた一日だった。

――風はもうすぐ、夏の匂いを運んできそうだった。

CS60LOHAS北九州緩み

落雷

 
 
 

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