旅するように生きる夫婦と、スパイスの香る午後〜喫茶猫屋堂整体〜CS60LOHAS北九州緩み
- 管理者

- 10月27日
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北九州市小倉北区の住宅街を抜けた先、坂道の上にその家はあった。
玄関の扉を開けると、ふわりとスパイスの香りが漂ってくる。まるでどこか遠い国の台所に迷い込んだような、不思議な空氣だ。
迎えてくれたのは、穏やかな笑顔のご主人と、年齢不詳の奥様。
「若さの秘訣ですか?」と尋ねると、奥様は少し考えてから笑った。
「規則的に、不規則な暮らしを楽しむことかしら」
その言葉には、型にとらわれない自由さと、日々を大切に生きる知恵のようなものが滲んでいた。
ご主人はとにかく病院が苦手で、健康診断の紙を見るだけでも氣が滅入るという。
「入院するくらいなら旅に出ますね」と冗談めかして言うが、その瞳はどこか少年のように輝いていた。
どうやらこのご夫婦にとって、“旅”こそが生きるエネルギーの源らしい。
リビングの一角にマットを敷き、静かに施術を始めた。
ご主人は特に氣になる箇所もなく、「ただ氣の流れを整えてもらいたい」とのこと。
奥様は足、鎖骨、そして背中に少し違和感があるという。
身体の声を聴くように、ゆっくりとCS60を滑らせていくと、呼吸が深くなり、ふたりの空間にやわらかな静けさが満ちていった。
施術が終わるころ、窓の外は夕暮れ色に染まり始めていた。
「チャイでもどうぞ」と奥様が運んでくれたカップから、甘くスパイシーな香りが立ちのぼる。
ご主人は、どこからかスパイスの瓶をいくつも持ってきて、
「これはインドの友人にもらったんです」「こっちはスリランカのシナモンですよ」と、まるで旅の土産話のようにひとつひとつを紹介してくださった。
シナモン、カルダモン、クローブ、ジンジャー…。
その香りが部屋いっぱいに広がると、不思議と身体が芯から温まってくる。
ふたりの人生には、まるでこのチャイのように、異国の香りと遊び心が溶け合っている。
「またどこか旅先でもお会いできたらいいですね」
そう言うと、奥様が静かに笑った。
「旅は外に出るだけじゃなく、内側にもあるんですよ。あなたの施術も、きっと“内なる旅”なんでしょうね」
その言葉が心に残った。
身体を整えるということは、きっと魂の旅を続けることでもあるのだろう。
スパイスの香りに包まれた午後は、そんな気づきを静かに運んでくれた。
――CS60LOHAS北九州緩み。今日もまた、小倉の風にのって、心と身体の旅へと出かける。
喫茶猫屋堂整体
CS60LOHAS北九州緩み





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