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枇杷の木の下で、CS60の夢を見る~北九州市八幡西区での施術日記~CS60LOHAS北九州緩み

北九州市八幡西区の住宅街を歩いていると、世界の速度がほんの少しだけゆっくりになるような氣がする。風が柔らかく肌を撫で、どこか遠くで犬がのんきに吠えている。それはまるで、時の底に沈んだ町のようだった。


私はその静かな町の一角で、CS60の出張施術を行った。依頼主は五十代の男性で、近頃の急な暑さにどうにも体がついていかず、だるさが抜けないという。私も似たようなことを感じていたから、なんとなくその氣持ちはよく分かった。


私はソファに施術用のシートを敷き、器具を準備し、静かに呼吸を整えてから、施術を始めた。時間の流れがほどけていく。体の声に耳をすませながら、エネルギーの滞りを一つずつほどいていく。まるで壊れかけた古いレコードの音溝を、一本一本指でなぞるような作業だ。私たちは言葉をほとんど交わさなかったけれど、必要なことはすべて身体が語っていた。


施術が終わると、彼の表情は明らかに変わっていた。目が少し大きく見え、口元がほぐれ、頬のあたりにやわらかな血色が戻っていた。私はそれを見て、小さくうなずいた。それは、長いトンネルの出口にようやくたどり着いた人間の顔だった。

「裏庭に、枇杷の木があるんです」と彼は言った。「よかったら、見ていきませんか?」

もちろん、と私は答えた。


裏庭には、思っていたよりずっとたくさんの枇杷の木が立っていた。空を仰ぐように枝を伸ばし、淡いオレンジ色の実をたわわに実らせていた。肥料も農薬も使っていないというその実は、鳥や虫たちが遠慮がちに味見をしていて、それがかえって自然の調和を感じさせた。

私たちは無言で枇杷を摘んで、皮をむき、その場で食べた。果肉はみずみずしくて、甘さの中にほんの少しの渋みがあった。それは、朝の氣配のような味だった。


私はふと思った。この小さな果実の中にも、天と地のあいだに通じる回路のようなものがあるのかもしれない。目に見えない微細な力が、枝から実へ、実から私たちの身体へと流れ込んでいるのだ。

風が吹いて、葉が揺れた。蝶が空に向かって飛び立った。


人の身体もまた、小さな宇宙のようなものだ。ときどき調律が狂い、ときどき再び整っていく。そんな営みの中で、私はほんの少し、誰かの役に立てたかもしれない。それだけで、今日はずいぶん報われた氣がした。


帰り道、私は陽氣な鳥の歌を聴いた。なぜか、枇杷の味と妙に合っていた。

蝶

 
 
 

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