【箒三姉妹とCS60――静かに流れた午後の物語】
- 管理者
- 5月25日
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皆さんこんにちは。
中間市近郊でCS60の出張整体を行っておりますCS60LOHAS北九州緩みです。
先日、中間市にお住まいの三人姉妹のお宅に、出張施術でお伺いしました。
地元では「箒(ほうき)三姉妹」として親しまれている方々。ご高齢にもかかわらず、毎朝三人で並んで玄関先や公園や公民館を掃き清める姿が印象的で、通りかかる人々にとっては、まるで朝の風景に添えられた一編の詩のような存在です。
玄関の戸を開けると、手入れの行き届いた美しい庭と、風の通り抜ける昔ながらの平屋の家。
三姉妹はそれぞれ、髪にやさしく白を混ぜながらも、背筋が伸びていて、丁寧な言葉遣いと柔らかい笑顔で迎えてくださいました。
「よう来たね〜。私たち、楽しみにしとったとよ」
そう言ってお茶を淹れてくれたのは長女の方。
お茶請けには、地元のかまぼこ屋さんで買ったというよもぎ餅とヤマザキのみたらし団子が添えられていて、ひと口いただくと、ふんわりとした甘さが身体の緊張をほどいていくようでした。
施術は長女の方から。
「肩と首が石みたいって言われるとよ」と笑っていたけれど、実際触れてみると、確かに石のような硬さ。それでも、ゆっくりとCS60を当てていくうちに、徐々に血の巡りが戻ってくるように肌の色が変わり、手足がぽかぽかと温まっていくのが伝わってきました。
「なんね、これ。不思議なもんねぇ…氣持ち良すぎて、眠たくなってきたばい」
と、ふわっと目を閉じて、微笑んだまま夢の中へ。
次に施術したのは、次女の方。
若い頃は洋裁の先生をしていたそうで、「じっとしてるの苦手やけんね」と最初は少し緊張気味でしたが、骨盤まわりにあてた瞬間、ふっと息が抜けたような感覚がありました。
「なんか、ね…じわっと、ほどけていく氣がする」
と、ぽつりとこぼされた言葉が、まるで風鈴のように胸に響きました。
そして、三女の方
「どっこもここも、よう動かん。達者なんは口ばっかり。」と、ユーモアたっぷりにお話されていました。
ところが、施術が終わったときのこと。
ふと見ると、静かに涙が頬を伝っていました。
「なんでやろ…涙が出るの、止まらんと。
昔、おかあちゃんに背中をなでられよったときのこと、思い出してしもうた。
あのぬくもりに、ちょっと似とうとよね」
施術をしながら、私の目にも自然と涙が浮かびました。
それは悲しみの涙ではなく、深いところで何かが癒されて、ゆるんで、自然にあふれてくる涙でした。
最後にお三方がそろってお茶を淹れてくださり、「また来てくれたら嬉しかね」と、さりげなくお土産まで手渡してくれました。
中には、手作りのハンカチが三枚。「あんたの仕事道具の仲間にして」と。
帰り道。
日が傾きかけた中間の町に、掃き清められた道が静かに続いていて、どこか懐かしく、温かな空氣を感じました。
三人の姿は、ただの「掃除」ではなく、
町と、人と、自分自身をていねいに整えているように見えました。
日々の暮らしを、箒一本であたたかく支えている三姉妹。
その手をほんの少しでも癒すことができたなら、施術者としてこれ以上の喜びはありません。
また次に伺う日が、心から待ち遠しいです。
感謝しています。

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