結婚式の出席を目指して~八幡西区CS60施術日記~CS60LOHAS北九州緩み
- 管理者
- 7月17日
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北九州市八幡西区の住宅地に、ひっそりと佇む一軒の家がある。
朝の陽光を浴びたその玄関先には、寄せ植えされた花々がいくつも並んでいた。
鉢の中に小さな春が咲いていた。白、黄、紫、橙――まるで性格の違う姉妹たちが肩を寄せ合って暮らしているように、花々は互いを邪魔せず、引き立て合っていた。
一本でも目を引く花が、他の花のそばに寄り添うことでさらにその魅力を増していく。その寄せ植えには、主の静かな美意識が滲んでいた。
依頼を受けたのは、ご主人の腰の疲れ。
案内された和室には、畳の香りがほんのりと漂い、季節を映す風が障子の隙間からそっと入り込んでいた。
「うん、なんか氣持ちいいなあ……」CS60で背骨の周辺を押下している最中、ご主人はぽつりと呟いた。
身体の深いところに沈んでいた緊張が、やわらかな波のようにほどけてゆく。
施術が終わるころには、顔色もいくぶん明るく、笑みに似た表情を浮かべていた。
終わってからは、リビングで奥様とともに麦茶をいただいた。ガラスのコップに浮かんだ氷が、静かにカランと音を立てる。
話題は、10月に控えたお孫さんの結婚式のことになった。
本来なら胸弾むはずのその話に、ご夫婦はどこか申し訳なさそうな顔をしていた。
「出席は難しいかなと思ってたんですよ」奥様は腰にコルセットを巻いていた。
肩の動きもぎこちない。だが、言葉の奥には諦めきれない想いが見え隠れしていた。
そこで私は、奥様の肩へそっとCS60をあててみた。首、腕、脇の下、後頭部、肩甲骨のあたり……。ひとつひとつの部位に宿る緊張を探り、寄り添うように整えていく。
施術が終わった時、奥様は肩に手をやり、少し驚いたように笑った。「何となく効いたような……氣がするわ」その笑顔は、寄せ植えの花々に似ていた。
いつしか、ご夫婦の言葉には希望が芽吹いていた。
「行けたらいいな、結婚式」「行こうよ、行ける氣がするよな」
もちろん課題は多い。年齢のこと、体調の波、移動の不安――。
だが、挑戦するという姿勢は、すでに一歩を踏み出していた。
人はしばしば、未知なるものを恐れる。
わからぬものに背を向け、他人の声に耳を貸しすぎる。
だがこのご夫婦は、自分の眼で見て、体で確かめて、自らの氣持ちで判断していた。
寄せ植えのように、それぞれの個性を尊びながら、人生の花を寄せ合って咲かせている。
そんな姿を目にして、私はふと思った。
人のからだも心も、そして人生も、ゆるめばまた、立ち上がる力を思い出すのだと。

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