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薔薇の風、地蔵の庭、新宮町のCS60施術日記 CS60LOHAS北九州緩み

福岡県糟屋郡新宮町。

その町名には、古代の香りが微かにまつわっているようにも思える。

その日、私はCS60の施術のため、庭の手入れが行き届いた一軒の家を訪れた。


門をくぐると、風にさわさわと鳴る音がした。

見上げると、シンボルツリーのシマトネリコが、ちいさく葉を振るわせていた。

庭の奥、苔むした手水鉢の縁には白いヤマボウシが花を咲かせ、

そのすぐそばでは、黒いネクタイに白い頬をもったシジュウカラが、無心に水を飲んでいた。

姿は見えずとも、どこかで陽氣なさえずりが風に紛れていた。


施術をご依頼くださったのは、薔薇を愛するご婦人だった。

「海の中道海浜公園の薔薇園に初めて行ったとき、忘れられなかったのです」

そう語る声に、少女のような熱があった。


ご自宅の庭には、春から秋まで絶え間なく咲く薔薇が色とりどりに植えられているという。

淡いクリーム色から、夜の色のような深紫まで。

しかし驚いたのは、これほどの緑に囲まれていながら、ほとんど蚊がいないことだった。


「三日前に造園屋さんに来てもらって、庭木の消毒をしたんです」

婦人はさらりと言った。

庭という自然の一角に、さりげなく人の手が加わっている。

だがそれは、無理にねじ伏せるのではなく、共に暮らすための距離の取り方のようにも思えた。


施術は、リビングの奥の、こあがりになった畳の場所で行われた。

やわらかく光が差し込む中、CS60を手に、ゆっくりと身体と氣の流れを調えてゆく。


施術のあと、婦人は庭の白いテーブルに案内してくれた。

大きなパラソルの下でいただいた紅茶は、スリランカから直輸入された非売品だという。

香りをかいだ瞬間、その深さに、息をのんだ。

それはまるで、熟れた薔薇の香りを閉じ込めたような、静かな高揚を含んでいた。


ふと、テーブルの脇に視線を落とすと、背丈の低いお地蔵様が目に入った。

滑らかすぎない石肌。丸いおおきな頭。

優しさを模して作られたわけではないのに、なぜか、かわいらしい。

その違和感のような温もりに惹かれて尋ねると、石材店の店主が手作業で彫ったものだという。

偶然、店先に置かれていたのを見つけ、連れて帰ってきたのだと。


「何も特別なことはしないんですよ。手を合わせるわけでもないし、お供えもしない。ただ、ここにいてくれたらいいと思って」


そう言う婦人の横顔を見ながら、私はふいに、ひとつのことを思った。

それは「共に生きる」ということの、もっとも静かなかたちかもしれないと。


この庭に住む草花や鳥、そしてお地蔵様。

祈りや願いのようなものを超えて、そこにある生命とただ呼吸を合わせる。

そんな在り方のなかに、言葉にならない真実が宿っているようだった。


帰り際、シジュウカラがまた陽氣な歌を歌っていた。

ふり返ると、薔薇の茂みの奥で、白いヤマボウシの花が、まだ揺れていた。

街並み

 
 
 

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