金木犀の香りに包まれて ― 飯塚の調香八段の先生宅で感じた、秋の静寂とぬくもり〜喫茶猫屋堂整体〜CS60LOHAS北九州緩み
- 管理者

- 10月21日
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静かな秋の昼下がり。
飯塚市の住宅街の奥、金木犀の香りがふわりと漂う一軒家を訪ねた。調香八段の先生のご自宅である。庭には小さな金木犀の木があり、風が吹くたびに橙色の花がこぼれ落ち、香りが柔らかく空気に混じっていく。
和室に通されると、畳の上には季節の花が一輪、さりげなく活けられていた。先生は昨年、自ら調合した金木犀の香りのミストを霧のように散布してくださった。
瞬く間に、部屋の中は秋そのものになった。香りは派手ではなく、どこか懐かしく、胸の奥に染み込むように広がる。
「では、始めましょうか」
そう言って、私はCS60の施術を始めた。
先生の体からは、調香師特有の静けさと集中の氣が感じられた。香りを生む人は、感覚のすべてを研ぎ澄ませて生きているのだろう。触れるたびに、少しずつ深い層の緊張がほどけ、息がゆるやかに流れていくのが伝わる。
施術が終わると、オプションの〈夢心地ヘッドスパ〉を行った。
額に触れた瞬間、先生のまぶたがふっと下り、呼吸が深くなる。
「眠りそうです」と小さく呟かれたが、私にはすでに夢の世界にいるように見えた。
金木犀の香りに包まれた和室で、静寂がすべてを包み込み、時が止まったようなひとときだった。
すべての施術を終え、リビングに戻ると、先生が淹れてくださった温かいお茶の香りが迎えてくれた。
話題はいつしか果実酒へと移り、先生は瓶の中に眠る琥珀色の液体を指差しながら、「これはね、ちょっとした秘伝なのよ」と笑って、さりげなく調合のコツを教えてくださった。
やがて先生が「お腹が空いたでしょう」と立ち上がり、手際よく豚丼を作ってくださった。
生姜と味噌をベースにしたタレが絶妙で、醤油と上質な味醂が香ばしく絡み合い、炊きたてのご飯にとろりと染み込んでいく。
横には、自家製の白菜の一夜漬け。ほんのり柚子の香りがして、口の中をさっぱりと整えてくれる。
食後、湯気の立つお茶を飲みながら、金木犀の香りを再び感じた。
氣づけば、今度は私の方が眠気に包まれていた。
香りと温もり、そして人の手のぬくもり。
そのすべてが静かに溶け合う午後。
心と体の境界がやわらかくなり、ただ穏やかな幸せな氣持ちだけがそこに残っていた。
喫茶猫屋堂整体





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