陶の手、風の氣 〜小倉南区で出会った静かな空と松葉茶〜CS60LOHAS北九州緩み
- 管理者
- 4 日前
- 読了時間: 2分
小倉南区、日田彦山線沿いののどかな山すそ。
梅雨も終わり、風が少し湿っているが、紫陽花が鮮やかに咲いているのが心地よい。
今日の施術先は、陶芸を習っている男性の工房だった。
「手が、少し鈍くなってきた氣がしてね」
土をこね、ろくろを回し、火と対話する日々の中で、いつの間にか疲れが溜まっていたらしい。
彼の指先は、まるで木の根のようだった。力強く、どこか温かい。
けれど、少し硬くなり、流れが滞っているのを、私は感じた。
工房の奥にある畳の部屋で施術を始める。
壁には未完成の器が静かに並び、窓の外からは風に揺れる竹の葉音がする。
CS60を手に、彼の肩や腕、そして手のひらへとゆっくりと氣を通していく。
「ふしぎと手の感覚が戻ってきた」
施術が終わるころ、彼は少し驚いた顔でそう言った。
そのあと、彼が入れてくれたのは、自ら焼いた湯呑みで味わう松のお茶だった。
梅雨の間に伸びた松葉を乾燥させ、刻んだ自家製の松葉茶。
少し土の香りが混ざった、温かく、深い味。
そして、松林を吹き抜ける森林のあの香りが広がる。
あまりに美味しく、私はもう一杯いただいた。
「器は、使ってもらってこそ完成するんです」
その言葉に、私はなんとなくCS60のことを重ねていた。
最後に彼が手渡してくれたのは、小さな湯呑み。
「これは、今日のお礼。釉薬がちょっと不思議に流れてね、氣に入ってる一品です」
その器は、青と灰の間のような色で、風のような模様が浮かんでいた。
土をこねる手と、身体を整える手。
異なるようで、どこか似ている氣がした。
そして私はまた、静かに次の場所へと向かった。
CS60LOHAS北九州緩み

Comments