雨の竹林と静けさの中で:CS60LOHAS北九州緩み 北九州市八幡東区の訪問施術日記
- 管理者
- 6月21日
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彼女の家は八幡東区の坂の上にあった。北九州の街が遠くに広がって見える場所で、空気にはわずかな湿気があり、曇天の下では緑が深く息をしているようだった。私はCS60を持って、彼女のもとを訪ねた。いつものように、静かな時間が始まる。
施術のあと、彼女は京都へ旅をしてきた話をしてくれた。梅雨の嵐山。竹林を歩いたのだという。私はその写真を見せてもらった。雨に濡れた竹。新しい竹は若く、まっすぐに空を目指して伸び、古い竹垣は苔をまとってしっとりと佇んでいた。坂の下から撮ったその一枚に、私は言葉を失った。
写真には人が写っていなかった。私は尋ねた。
「どうやって、こんなにも静かな瞬間を捉えたのですか?」
彼女は微笑んで言った。
「何日もかかりましたよ。人がいない一瞬を待つのに。朝早く行って、雨の中、何度も通ったんです」
それは執念にも似た粘りだった。けれど彼女はただ「静けさが好き」と言った。
「嵐山には、外国人しかいませんでしたよ。日本人は見かけなかった」
観光地としての京都。けれど、雨に濡れた竹林には、国境などなかった。言葉も人種も関係ない。音もない。ただ、雨の音と、自分の足音が竹の世界に吸い込まれていくだけだったのだろう。
食べ物の話になった。私は施術の後に、いつもその土地の味を聞くのが好きだ。
「湯葉の美味しいお店があったんですよ」
彼女のご主人は肉を食べない方なのだそうだ。だから、湯葉丼と湯豆腐のセット。じっくりと味を染み込ませた白い料理。それは、旅の疲れを包み込むようなやさしさだったに違いない。
「とても、美味しかったです」
その言葉に嘘はなかった。私はその店の名前を心に書き留めた。旅先での小さな感動を、彼女はいつも丁寧に覚えている。そしてそれを、施術の後の静かなひとときに、そっと差し出してくれる。
私はCS60を片付けながら、ふと写真の竹林のことを思い出した。雨が降っていた。竹が濡れていた。人の流れが途切れた、たった一瞬の永遠。
それは、身体の緊張がふと緩む、そのときにも似ている。
CS60LOHAS北九州緩み。今日もまた、静かな時の流れの中に、心と身体をひとつ、整える。

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