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黄金色の直方市の午後 —— ジャガイモと静かな歓びーーCS60LOHAS北九州緩み

その日、私は遠賀川を越え、直方市にある静かな住宅街にある一軒家を訪ねた。

クレマチスの花が咲く門をくぐると、家の中からはカラリと油の音が聞こえてきた。玄関先で迎えてくれたのは、腰の曲がった品のよい女性だった。「ちょうどね、揚げてたところなの」と、笑顔で言い添えて。


部屋に案内されると、ほのかにじゃがいもの甘く香ばしい匂いが漂っていた。「ジャガイモの素揚げって、シンプルだけど、好きな人は本当に好きでしょう?」そう言って、テーブルの上に小さな皿が置かれた。黄金色に揚がった短冊切りのじゃがいも。塩も何もふっていない、ありのままの姿だった。

「あとで、良かったら少しどうぞ」そう言い残して、女性はソファにゆっくりと横になった。


施術は足から始めた。何十年も台所に立ち続けた人の足には、それなりの疲労と、年月の層がある。ふくらはぎにCS60を当てると、少しずつ皮膚の下で氣が動き始めた。施術中、彼女は目を閉じて、ぽつりぽつりと昔話を語ってくれた。「若いころはね、じゃがいもを水でふかして、素揚げするだけで、ごちそうだったのよ」

手を動かしながら、私はその“ごちそう”の重みを想像していた。何もない時代に、人は工夫と誠実さで食卓を豊かにしていた。それは、ジャガイモの油の音にもしっかりと刻まれている。

背中から腰、そしてお腹へ。施術は進んでいった。特にお腹まわりに氣のこわばりがあったが、軽く当てて、押し、離し、呼吸を合わせていくと、自然とやわらいでいった。

「気持ちよくて、もう少しで寝てしまうとこだったわ」と、女性が笑った。私は静かに頷きながら、仕上げに頭と顔を施術した。目尻に刻まれた小さな皺が、深い安堵とともに緩んでいくのがわかった。


施術が終わったあと、彼女は小さな塩壺を持ってきてくれた。「今度はこれをちょっとふって、食べてみて」そうして差し出された一切れのじゃがいもを口に入れたとき、私は少し驚いた。ただの素揚げなのに、深い。懐かしいという感情に似た、穏やかで温かなものが口の中に広がった。


「最近のはね、いろんな味がして、おいしいけれど、昔はね、“味を噛む”ように食べていたのよ」彼女の言葉が、胸に沁みた。

施術とは、体を整えるだけでなく、こうして“その人の大切にしてきた時間”に、触れる行為でもあるのかもしれない。

黄金色のじゃがいもをひとつ、私はゆっくりと噛みしめながら、その日の午後を、静かに味わっていた。

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フレンチフライ

 
 
 

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